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(f)都市自治体の強化と二層制見直しをめぐる論議(1987−94年) 東京一極集中と地方経済の空洞化等の社会経済の変化や都市自治体の成長に対応して、この時期、府県連合や地域中核都市などの新たな地方制度改革の論議が活発化した。これらが実現すると、府県の事務は、一方で都市自治体に下ろされ、他方で府県連合に吸収又は拘束されることになって、大都市圏の府県を中心に府県機能の空洞化が懸念された。1993年の地方自治法改正では、「広域連合」制度と「中核都市」制度が誕生したが、前者は市町村も含んだ一般的な制度となり、後者は地域の中核性が求められ大都市の周辺都市が指定されにくい制度となったことから、府県制への影響は緩和される結果となった。 また、この時期、現行の二層制の地方制度を抜本的に改革して全国300程度の自治体を置くという「廃県置藩」論や、地方に主権を与え連邦一州一自治体の体制への転換を唱える連邦制論など、府県の廃止を含む抜本的な改革議論も高まった。 (g)地方分権の具体化に関する検討(1993年−現在) 生活の「豊かさ」への希求、わが国の政治行政の「制度疲労」の認識等から、地方分権を求める声が高まり、現在、地方分権の実現に向けて具体的検討が進められている。1993年の衆参両議院の「地方分権の推進に関する決議」、1995年の地方分権推進法の制定、1997年の地方分権推進委員会の第1次勧告など、地方分権の取組みは現実化している。 これらに共通するのは、前述したように、地方自治の二層制は当面維持するものとし、まずは都道府県に重点を置いて国と地方の役割分担の見直しを進めることが現実的であるという認識である。しかし、今後、市町村との役割分担等が視野に入ってくると、都道府県の意義・機能や性格が重要な論点となる可能性が高い。 図1−1 戦後府県制度改革論議の変遷

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